医療
外の世界で生きることは年々過酷になっていると思います。東北の厳しい冬はもとよりですが、一年通して異常気象と災害、交通事故や感染症で命を落とす子は、県内でも毎年3000頭以上いる。
(写真は、2017年6月にお星さまになった玉ちゃん)
助けたいと思った人間がいて、はじめて救われる命です。出会った人間次第でひとつの命のその先は一変してしまいます。畑にいる猫たちの最初にさかのぼると大概が人間の手による捨て猫です。
畑ネコの管理人さんの多くは、ネズミ取りだからといってえさをあげてくれていますが、お医者さんには見せてはくれません。「冬になると自然淘汰されて自然に減る」と当然のように言いました。
普段ごはんをあげて、子を産んだら名前もつけて育てて甲斐甲斐しく手をかけていても、自分の猫じゃないといいます。でも猫の方は、そうじゃないよ。生きるためにご飯をくれる人を信じて待って、そこに待ち続けるんだよ。ネズミ捕り、エサやりショーのお遊びの道具じゃないでしょう。
最初はかわいそうだと思ったんでしょう。だからゴハンもあげたし、助けたいと思ったんでしょう。せめて「私の猫です」「うちの子です」そう言ってあげてください。
このまま外で管理するのなら避妊去勢・ワクチンの接種・感染症の治療をすること、触れる子なら里親募集までチャレンジして頂きたい。室内飼育ができないのだから交通事故や気象災害からは守ってやれないけど、自分の子として育てることは十分できるんですよ。年に何度も出産したりすれば母猫の体力消耗はすさまじい。子供を産む猫が悪いんだとばかりに繁殖行為をさげすんだ言い方をする管理者もいました。猫の繁殖行為は本能。ただただ一生懸命に生きているんです。
人間に悪者にされる覚えも、せめられる言われもありません。
責任感のあるやり方としてTNRという方法があります。どんな場合であっても外の猫と関わるのであれば避妊去勢手術をすることがまず第一歩です。
とにかく外の世界に生きる子達を自然界の産物・大自然の一部みたいには言わないでほしいのです。
外の猫は、非道な人間の被害者だと私は思います。
平成30年3月山形県猫の適正飼養ガイドライン~人と猫が共生できるまちづくりのために~
猫の飼い主をはじめ、多くの人に適正飼養やルールを学んでもらうこと・これから猫を飼う方が適正飼養の十分な準備ができるようになること・飼い主のいない猫に関する様々な課題の解決の一助となることを目的につくられたガイドがあります。ぜひお読みください。
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